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案外知られていませんが、ブダペストはドナウ川を境に、ブダとペストで分かれています。
政治的中心のブダ、商業地として発展したペストです。
そのペスト側にあるアンダンテという日本人宿に泊まりました。
宿に入ると久しぶりの日本語が飛び交い、かなりテンションがあがりました。
その後さっそく市内観光したのですが何か様子が変。
ドナウ川沿いの王宮・くさり橋と有名所を見て周ったのだが、人が一人もいない・・
そして五分ほどドナウ川沿いに歩くと、そこにはアーケードがあり どうやら今日は祭りらしいことが分かった。
(あとで聞いた話だが、この日は建国記念日だった。)
そこには見たこともない食べ物屋が沢山あり、珍しい民族の踊りも見ることができた。
その賑やかなアーケードを抜けてもブダペスト中の人達が川に集まり何かを待っている。
ドナウ川をみるといつの間にか画像のようなコーンが何本も立ち、人もどこから沸いてきたのか川沿いは全ての人で埋まっていた。
もらったビラを見てみると、このドナウ川でジェット機による航空ショーとレース、そして夜には花火があるらしい。
川には大きなビジョンとスピーカーが所々に設置され、かなり大掛かりな設備であった。
そのビジョンを見ると 過去のレースの映像が流れていた。
くさり橋の僅かな隙間の下を飛行機が入り、コーンの間をありえない速さでジェット機が潜り抜けている。
映画のワンシーンのような大迫力の映像であった。
ショーが始まると、凄い歓声とそれ以上のジェット機の轟音が町中に響くと共に、ジェット機が街に突進してきた。
ドナウ川のコーンを縫うように車体を反らしたり、回転させたりとアクロバット飛行を目の当たりにし、フランスのツールドフランスといい、この日といい自分はなんて運がいいんだろう。と改めて感じた。
ショーの見える絶好の位置で、なぜかぽかんと空いているところがあったので、そこへ行って見ていた。
すると隣にいる 40代のおじさんがありえない体臭を放っていた。
こっちの人の体臭は食生活からきているのか想像を絶する体臭だ。
周りのみんな完全にやられていたが、自分はショーを我慢して見続けた。
その後、王宮の丘から再度ショーを見物し、この日のフィナーレは最後の花火であった。
街がだんだんと暗くなり、花火の開始時間である9時と同時に 町中の電気が消えた。
その中で、くさり橋のみがロマンチックに装飾された電球によって輝いていた。
ヨーロッパでも有名なブダペストの夜景が一瞬にして消え、ちょっと残念がっていると、唯一輝いている くさり橋から花火がドーン!! と轟音をとどろかし、町中の人が息を飲み、その花火に見とれていた。
日本の花火とそれと比べ、こっちの花火は30分間と若干時間は短いが、だらだいした感じがなく クラシック音楽をバックにありえない近さで見れる臨場感とその圧倒的な迫力とロマンチックな演出によって、涙が自然と溢れていた。
こんな経験は今まで一度とない体験だった。
周りは笑顔で見ているのに、自分だけは号泣と かなり滑稽な絵だったと思う・
この時、本当にここまで着て良かった。来年も必ず来る と心から感じた。
自分はテレビの弾丸ツアーが大好きで よく見ていたが、
芸能人が感動してよく泣いているのをみて、景色で泣くものなのかと疑問を持っていた。
しかし、この時 その出演者の気持がやっと理解できた気がした。
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